高貴な紫色に包まれて

 遠く遠くに目を向けると、淡い淡い美しい紫色のグラデーションに心を奪われます。

 森の入り口には、小さなほこらがあって、そこから漏れる金色の光と濃い紫、群青色、そして遠方に見えるまるで昼間のような淡い紫色の織りなす世界は、どことなく画家 マグリットの描く世界に近いかもしれません。

 森の木々のシルエットは繊細で美しい陰影を作り出し

金色の向こうから

遠くに見える一本の木、ぼんやりと霧に包まれているが、たしかに見える。あそこを目指して進め、目指す場所はあそこだ。

 あたりには何もない、ひたすら続く金色の野原だ。地平線の向こうから金色と白い光が立ち上って見える。

 草が風にそよいで、波をうっているようにも見える。向かい風になったり、追い風になったり、風の向きは自由自在だ。

  風を受けてもなお、あの一本の木に向かって進んでいく。決まった道はない、だが確実な目標はあそこにある。だからゆっくりでいい、進んでいけばいいんだ。

月光浴の森

 月明かりを浴びていると、とっても気持ちがいい。月に照らされた澄んだ水、清らかな流れが、もっともっと神秘的に透明度を増していく。

 木々は青白く光り、森は青の世界に包まれていく。その森の中をくまなく照らすのは大きく空にあがった満月だ。まるで森の中は昼間のようにその輪郭をくっきりと浮かび上がらせている。

 ゆっくりと流れる水の音だけが森の中にこだまし、月の中に吸い込まれていく。まさに森が月光よくをしているかのようだ。