繊細な音色は、みやびで艶やかな舞。まるで古都、京都の佇まい。高貴な音色は遠く遠くに響き渡り、すべてを浄化していく。
　日本の音色は、神様を呼び込むための音が多い、言葉に言霊があるように、音楽にも、音魂があるのかもしれない。
　こうして日本人の私がヴァイオリンを使うと、こうも純日本的な音色になるのは、生まれ故郷に対する本能があるからなのだろうか。

　花は人が元気がないとき、無償の愛でその命の力を与えてくれるそうだ。
　そのけなげな姿は愛らしく愛おしく、そして抱きしめたくなる。
　淡い花びらのすきまから、繊細で小さな要請の声がこだまする。かすかなかすかな音だが、こころ野雑音を取り払えば聞く事ができる。
　癒しの力と生命力を最後の最後までおしみなく。涙がとまらない。純粋な愛の姿がある。