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No.1

 日常の中に、とても美しい時間がある。それは夕暮れ。日没の日の光に包まれ、全てが美しいシルエットとして浮かび上がる。レンズを通してみる風景は、いつも見かける街とは全く違う顔をみせてくれる。

一瞬燃えているのかと思えた。真っ赤に燃えながら沈み行く太陽。まさに空を焦がすように、黒い雲がたなびき、地平線際を走る高速道路の高架線は赤と黄色とオレンジの層に染まった雲は、とても我々が知る雲や空といった色ではなくなっている。都会の真ん真ん中でも、こんな一瞬が繰り広げられているのだ。

羽田から川崎の工場地帯を望む。突き出た工場の煙突から昇る煙、そして熱くたれ込めるグレーな空。そしてその向こうに見える濃いオレンジ色の世界。何か、都会の中の異次元空間をのぞいているような感覚の捕われる。

羽田空港からは、実はこうして立派に富士山を望む事が出来る。多くの写真好きの人たちが、羽田空港デッキ上に集まり、シャッターを切る。夕暮れ時、ブルーモーメント二包まれる時間帯。でも空の向こうはまだ夕陽を浴びてほんのりと淡いオレンジ色だ。この刻々と切り替わって行く瞬間が好きだ。

遠くには濃いオレンジ色の空が広がり、地上はすっかりと夜に向かって、あたりのものをすべて黒が包み込もうとしている。ただ、動き続ける空港では、ジェットが行き来を繰り返している。ジェットの上部に当たるかすかな光でうっすらと浮かび上がる機体。繊細な光景だ。

空が広い。空が大きく広く感じる日は、こうして雲が芸術的に立体的に立ちこめている日が多いように感じる。晴天ばかりがいいわけじゃない。こうしたドラマチックな光の演出は雲の脇役が織りなす役割が大きい。えっ、じゃあ主役は、、?そりゃ、遠くに静かに鎮座している富士山ではないでしょうか。

黒い闇が空港を包み込んでしまったあと、息を吹き返す空港。それは人の作り出した灯りによる復活。空はもうすぐやみに包まれるが、こうしてきらびやかに、そして少し優しいオレンジ色の光を放ち始める。飛行機の誘導灯がまるで大地に埋め込まれた小さな宝石のように鏤められている。

さて、すっかりと暗くなってきたので、そろそろ家路を急ごう。羽田空港デッキスペース。多くの写真好き、飛行機付きを魅了してやまない場所。

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