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No.10

 街角には、やさしい顔があった。人々の生活の中に、静かな温かい時間が流れていた。ヨーロッパの静かな日常に、なんだかほっとする瞬間。ふわっと包まれる時間が流れていた。

 秋風が気持ちよいこの広大な公園には、かの有名なグリニッジ天文台がある。イギリス ロンドン郊外にあるグリニッジは学問の街だ。グリニッジ大学があり、町並みもそのような風情を漂わせている。気持ちのよい秋の日、枯葉と芝生のコントラストが美しい。

 PARIS その麗しい響き。そのパリの空を悠然と飛び越えていく飛行機。古き良き建物と、現代が見事にマッチした街。華やかさを失わない街は、100年後もこの光景が見られるのだろう。この穏やかな日々がいつまでも続く事を願いながら。空に消えていく飛行機を見送った。

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 コベントガーデンの夕暮れは、なんだか不思議だ。小さな街角に突如として現れるメリーゴーランド。夕暮れに包まれ、オレンジ色の温かな光の中、子どもたちのはしゃぐ声がいつまでも響き渡っていった。
(イギリス ロンドン コベントガーデンの一角にて)


 ロンドンの公園は、なんだか和やかだ。女性たちが木に寄しかかって、会話を楽しんでいる姿は、ささやなか時間を大切に使うロンドン市民の憩いの時間だ。落ち葉のデコレーションがまた憎い演出だ。

 夜のモンサンミッシェルは、幻想的だ。見事にライトアップされた世界でもっとも有名な世界遺産は、ブルーモーメントに包まれて、より一層神秘的な佇まいを見せている。天使が降臨したこの修道院は、これからも多く日人を引きつけてやまないだろう。

 旅にでる。それは人生の旅立ちをも暗示する。駅は出会いの場でもあり、別れの場でもある。喜怒哀楽が沢山詰まった場所でもある。列車の出発のアナウンスが響き渡り、静かにホームを滑り出していく。100年たっても変わらない人々の時間と思いが交差する場所。

 カナダの夕暮れは、ずっと眺めていたくなる光景だ。ダウンタウンに落ちていく夕暮れはまた格別なものだ。この街はとっても時間の流れが穏やかでやさしい。なんだか観光地というより、ありふれた日常すべてが、なんだか優しい街。遠くでカモメが鳴いている、波の音と混じり合って静かに消えていった。
(カナダ バンクーバーにて)

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