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No.8

この写真ページはブルターニュ地方、Mid-Preyneeseのフォトを紹介していきます。偶然であった人々と のふれあいやコミュニケーションを通して、旅の醍醐味を味わって行きただ来ます。

 真夜中3時過ぎ、空は明るかった。月明かりが白い雲を浮き上がらせ、まるで昼間のようになっていた。月明かりの強さを感じさせる。じっと眺めていると、雲がゆっくりゆっくりと北の方向に向かって流れていくのがわかった。空も静かに絶えず変化し続けている。眠れない夜があったら、外に出て夜空を見上げてみてはどうだろうか。

 夕暮れが迫り来る空。これほど一日の中でそらが印象的に見える瞬間はない。いつもは無機質な電線や鉄塔もこの瞬間だけは、繊細なものとして見えてくるから不思議だ。印象派の画家たちが、夕暮れ迫る空の立体的な雲をいくつも描いたのもうなづける。それだけ人を引きつける魅力がある。

 しかしたら、地平線の向こうで、何かが燃えているのではないか、そう思えるほど、朝日というものは激しい情熱的で力強さを持っている。空が燃えている。厚くたれ込めた雲を突き破るように、今日も一日元気な太陽が東の空から上がってくる。

 一方夕日は、なんだか哀愁を感じる光景が多い。冬の寒空の下、枝だけの木々が、つーんと張りつめた空気を象徴するようだ。空気はとっても澄んでいて、ひんやりとしている。また明日も力強い朝日が上ってくることがどれだけありがたいことかをしみじみと感じさせる。まだまだ春は遠からじ。

 

 東京湾を挟んで、関東平野に落ちていく夕日。鮮やかなオレンジ色が地平線を染めていく。絵の具を溶かしたわけでもないのに、刻々とこんなにも鮮やかな色に染まるのも自然の神秘だと思う。当たり前の光景をちょっと立ち止まって考えてみると、不思議なことなんだと感じる事ができる。ビル群が小さく、夕日はそれを飲み込むかのように巨大で、人の作ったものがいかにちっぽけで宇宙全体からみれば、とりとめもないものだ。だからもし一日嫌な事があっても、太陽はいつもと変わらず東から上って西に落ちていく。だったら悩むのをやめてみよう。やな事も日が沈むとともに忘れてしまおう。

 これが深夜の月明かりだとは思えるだろうか。まさに夜の太陽のごとく、煌煌とした力強い光を放っている。美しい光景が皆が寝静まった夜に起こっているのだ。でも光は太陽に比べてはとっても優しく包み込むような光だ。月の女神が女性だというのもうなずける。真っ暗な大海原を航行する船乗りの羅針盤になったことだろう。月明かりが見えたらどんなにも安心できたことだろう。大地に生きる我々にとっても、月明かりは包容力を持って包み込んでくれる癒しの光だ。

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